AIを読む人から使う人へ:中学生にも分かるAI画像を使った商品プレビュー生成の考え方 #5
◉ AI×ビジネス活用 / 2026年07月

AIを読む人から使う人へ:中学生にも分かるAI画像を使った商品プレビュー生成の考え方 #5

2026年07月17日 読了目安:約20分 著者:AIFRONTNEWS編集部 Python / モックアップ / ワークフロー

Tシャツ写真にロゴを重ねた見本画像を、あなたも数分で量産できますか?

完成後は、フォルダに入れた商品写真と透過PNGロゴから、自動で合成した商品プレビューを一括生成できます。

この記事では、準備からOpenAI Codexへの依頼、動作確認、トラブル対応、権利の確認までを、画面操作で迷わないように順番に説明します。

この回のゴール

  • できること:Tシャツやマグカップの写真に、透過PNGのロゴや柄を重ねた商品プレビューを自動生成する。
  • 用意するもの:VS Code、Python 3.10以上、OpenAIアカウント、Pillow、商品写真(権利クリア)、透過PNGデザイン(権利クリア)。
  • 大切な約束:APIキーは画面やコードに直書きしない。著作権・肖像権・商用利用可否を必ず確認する。料金や仕様は変わるため、各公式ドキュメントで最新情報を確認する。
最初に知っておきたい用語
  • 透過PNG:背景が透明の画像。下にある写真を隠さずに重ねられる。
  • レイヤー:画像を重ねる考え方。クリアファイルを重ねるイメージ。
  • マスク:見せたい部分だけを切り抜く型紙のような画像。
  • アルファ合成:透明度を使って画像を自然に重ねる計算。
  • 環境変数:パソコンに一時的に覚えさせる設定。キーやパスワードを安全に渡す方法。
  • Codex:OpenAIのコーディングを手伝うエージェント。VS Codeの拡張で会話しながらコードを作ってくれる。
  • Pillow:Pythonで画像を開く・縮小する・保存するための道具箱。
  • モックアップ:完成イメージを見せるための見本画像。

1. この記事でできること

この記事では、VS Code内のOpenAI Codexに依頼を送るだけで、商品写真と透過PNGロゴを合成し、日付ごとのフォルダに安全な名前で保存する最小アプリを完成させます。
家で料理を段取りよく作る感じで、材料(画像)を並べて、レシピ(手順)に沿って、片付け(保存と権利確認)まで一気通貫で進めます。

2. 完成イメージ

product mockupで生成されたTシャツプレビューの完成例
Photo by Mockup Free on Unsplash

ゴール後の見え方を、料理の盛りつけのように具体的に描きます。

3. 最初に知っておきたいこと

レイヤーは「透明のシートを重ねる」イメージ、マスクは「型紙」です。
本記事では、商品写真を下に、透過PNGのデザインを上に重ね、必要ならマスクで形を整えます。
こうする理由は、ECサイト用の見本画像を素早く量産し、修正を繰り返せるからです。例えば学校祭のTシャツでも、色違い・柄違いを一気に確認できます。

4. 対象読者

商品プレビュー作成に取り組む初心者向けの説明風景
Photo by Paul Hanaoka on Unsplash

たとえるなら、文房具のセットでポスターを作る気持ち。ハサミやノリ(Pillow)を、手元の机(VS Code)で使い、作業手順をサポートする先生(Codex)に相談しながら進めます。

5. 必要なものと入れ方

VS Code

  1. これは何?:作業机のようなアプリ。ファイルを並べて、編集や実行をまとめて行えます。
  2. 用意するもの:インターネット接続、メールアドレス、Google ChromeやEdgeなどのブラウザ。
  3. 入れ方・開き方
    1) 公式サイト https://code.visualstudio.com/ を開く。
    2) Windowsは「Windows」、macOSは「macOS」を選び、ダウンロード。
    3) インストーラーを開き、案内に従って「次へ」「同意」を押す。
    4) インストール後、アプリ「Visual Studio Code」を開く。
  4. 最初の設定
    1) 左の四角いアイコン「拡張機能」を押す。
    2) 検索欄に「Codex」と入力。
    3) OpenAIの「Codex」拡張を選び「インストール」。
    4) 画面右上や拡張の案内にある「サインイン」を押し、OpenAIまたはChatGPTアカウントでログインする。
    5) 左サイドバーに「Codex」アイコンが出たらクリックし、チャット欄を開く。
  5. できたか確認:左にCodexのチャット画面が表示され、テキスト入力欄にカーソルが置ければOK。

Python 3.10+

  1. これは何?:指示どおりに作業する「台所のコンロ」。アプリを動かす力になります。
  2. 用意するもの:PCの管理者権限、インターネット接続。
  3. 入れ方・開き方
    1) 公式サイト https://www.python.org/downloads/ を開く。
    2) 「Download Python 3.xx」を押す。
    3) Windowsはインストーラーで「Add Python to PATH」にチェックして次へ。macOSは.pkgを開いて案内に従う。
    4) インストール後、VS Codeを開いておく。
  4. 最初の設定:VS Code左下に表示されるPythonバージョンをクリックし、3.10以上のインタープリタを選ぶ。
  5. できたか確認:VS Codeの右下に「Python 3.10+」などの表示があればOK。

OpenAIアカウントとAPIキー

  1. これは何?:Codexや画像APIを使うための「会員証」。
  2. 用意するもの:メールアドレス、支払い方法(必要な場合)。
  3. 入れ方・開き方:公式サイト https://developers.openai.com/api/docs/guides/images を開き、アカウント作成とAPIキー発行の流れを確認する。
  4. 最初の設定:実値は書かず、環境変数や.envで安全に保存します。詳しくは後の手順で説明します。
  5. できたか確認:VS CodeのCodex拡張でサインインが済み、サイドバーにステータスが表示されていればOK。

Pillow(画像処理ライブラリ)

  1. これは何?:画像を開く・縮小・重ね・保存するハサミとノリのセット。
  2. 用意するもの:Python 3.10以上。
  3. 入れ方・開き方:インストール作業は読者が直接コマンドを打たず、後の手順でCodexに依頼して行います。
  4. 最初の設定:特になし。プロジェクト作成時にCodexへ依頼します。
  5. できたか確認:後の「動かして確認する」で、実際に画像が生成されればOK。

素材(商品写真と透過PNGデザイン)

  1. これは何?:料理の材料。商品写真は背景付きでもOK、デザインは背景が透明のPNG。
  2. 用意するもの:商用利用の権利がある素材。人物が写る場合は肖像権の同意。
  3. 入れ方・開き方:PC上の分かりやすいフォルダにまとめておく。
  4. 最初の設定:ファイル名はシンプルに(英数字とハイフン/アンダースコア推奨)。
  5. できたか確認:画像ビューアで開けること、透過PNGは背景がチェッカー表示になること。

6. エージェントと作るものの全体像

入力・合成・保存の全体像フロー図
Photo by Christina @ wocintechchat.com M on Unsplash

作るアプリの設計を、家の「家事動線」のようにシンプルにまとめます。材料置き場(input)、調理場(処理)、完成品置き場(output)をはっきり分けるのがコツです。

料金やモデルは変わることがあります。最新の仕様と価格は、OpenAIの公式ガイド(OpenAI Images guide)で確認してください。

7. 手順1: ツールを準備する

目的を確認する

この手順では、VS CodeとCodex、Python、Pillowを使える状態にします。なぜ必要かというと、作業机(VS Code)と先生(Codex)とコンロ(Python)がそろわないと、調理(合成)が始められないからです。

画面で行う操作

Codexに依頼して行うこと

Pillowの導入やプロジェクトの初期化は、後の「手順3」でCodexにまとめて依頼します。読者がコマンドを手入力する必要はありません。

成功の見分け方

つまずいたら

拡張が見つからない場合は、拡張機能の検索欄でスペルが「Codex」になっているかを確認。サインインができない場合は、ブラウザのポップアップ許可を見直します。

8. 手順2: APIキーを安全に用意する

APIキーを安全に保管するイメージ図
Photo by FlyD on Unsplash

APIキーは、施設の入館証のようなもの。落とすと悪用される危険があります。画面やコードに直書きはNGです。OpenAIの安全設計の考え方は、OpenAI API safety best practicesで確認できます。

目的

環境変数や.envで安全に管理し、Gitなどに公開されないようにします。

操作の流れ

うまくいかない時

アプリがキーを読めないときは、ファイル名が「.env」になっているか、再起動したか、キースペルに余計な空白がないかを確認します。

9. 手順3: エージェントにアプリを作ってもらう

ここからが本番です。下のボックスをコピーして、VS Code内のCodexチャットに送ります。読者がコードやコマンドを書く必要はありません。

Codexに送るプロンプト

目的:商品写真(products)と透過PNGデザイン(designs)を重ね、日付付きフォルダに安全なファイル名で保存する最小のPythonアプリを作ってください。
前提:私はコードやコマンドを手入力しません。必要なファイル作成、仮想環境、依存関係(Pillow)、実行方法の説明まで、VS Code内で完結させてください。
要件:
- ルート直下に input/products と input/designs、output/{YYYYMMDD} を使います。なければ自動作成。
- 入力はPNG/JPG/JPEGのうち、商品写真は products、デザインは designs(PNGのみ・透過前提)。
- 合成は、デザインを商品写真の短辺基準で max 40% 幅にリサイズ。位置プリセット(center, top-left, top-right, bottom-left, bottom-right)をサポート。デフォルトはcenter。
- アルファ合成で自然に重ねる(PillowでRGBA、paste時にマスク利用)。
- 出力ファイル名は「商品名_デザイン名.png」。商品名・デザイン名は拡張子を除いた英数字・ハイフン・アンダースコアのみを許可し、他はアンダースコアに置換。
- 保存先は output/{YYYYMMDD}/。同名があれば _1, _2… を自動で付与。
- 実行すると処理ログ(開始時刻、処理件数、各ファイルの入出力、所要時間、失敗理由)を console と logs/{YYYYMMDD}.log に出力。
- 進捗バー(tqdm等)を導入して進行状況を表示。
- 例外時は続行し、最後に失敗ファイルを列挙。
安全:
- APIキーなど秘匿情報はコードに直書きしない。必要なら .env を使い、.gitignore へ .env を追加。キーの実値は私に貼らせない実装と説明にしてください。
動作確認:
- ダミーの小さな商品写真1枚と透過PNGデザイン1枚を自動生成して試走できるテストスクリプト(またはセットアップタスク)を用意。
- 実行手順を、私がクリックで追える形でチャット内に箇条書きで示してください。
不明点:
- 画像解像度や位置プリセットの基準にあいまいさがあれば、私に質問してください。日本語でやりとりしましょう。

Codexが作るものと、あなたが確認する点:

10. 手順4: 動かして確認する

生成した商品プレビューをチェックする手順の図
Photo by Glenn Carstens-Peters on Unsplash

最小データで試走

Codexが用意したテスト実行の手順に従い、最小の素材で一度走らせます。料理でいう「味見」です。

視覚チェック項目

OpenAI Images APIを併用する場合

背景透過を自動化したい、生成画像で差し替えたい場面では、OpenAIの画像APIをオプションで使えます。サイズ・透過PNGやマスクの扱い、レート制限、料金やモデルは変更される可能性があるため、必ずOpenAI Images guideで最新の指定方法と条件を確認してください。ここでは最小の使い分けだけを押さえます。
・背景透過:商品写真の背景を透過PNGにしたい場合は、マスク画像を用意し編集APIで適用します。
・生成差し替え:デザインそのものを生成して差し替える場合は、サイズと形式を合成の前提に合わせるのがコツです。

11. 手順5: エージェントと直す

ズレ・色味・輪郭を改善

写真により最適な縮尺や位置は変わります。以下の観点でCodexに調整を依頼します。家のカーテンの長さを微調整する感覚です。

高度化のアイデア

Codexに送る相談例

次のように自然文で依頼しましょう。「プリセットcenterのとき、縦長写真ではデザインが小さすぎます。短辺40%→45%に。top-rightは余白8%をとってください。」

12. よくあるエラー

よくあるエラーと対処のチェックリスト図
Photo by David Pupăză on Unsplash

Permission denied(保存できない)

パス誤り・日本語ファイル名の問題

PillowのDecompressionBombWarning

APIキー未設定・レート制限・サイズ超過

13. 次に試すこと

14. まとめ

AI image product mockupの学びのまとめ
Photo by Jakub Żerdzicki on Unsplash

まずは最小構成で回る合成ラインを作り、入出力と権利確認を習慣化しましょう。
その上で、Codexとの対話で位置や色味、ログの改善を重ねると、実務で使える精度に育ちます。
前回のシリーズ記事を読んでいない人は、必要ならAIを読む人から使う人へ:中学生にも分かるGoogleカレンダー連携AIアプリの考え方 #4も参考にしてください。

参考リンク