中学生にも分かるAIモデル自動切り替え機能の作り方 #2
◉ AI×ビジネス活用 / 2026年07月

中学生にも分かるAIモデル自動切り替え機能の作り方 #2

2026年07月24日 読了目安:約19分 著者:AIFRONTNEWS編集部 Claude API / Node.js / OpenAI Codex

あなたの入力にClaudeが答える、最小のWebアプリを自分のパソコンで動かしてみませんか。

入力欄・送信ボタン・返答表示だけのシンプルな1ページを、VS Code内のOpenAI Codexに頼んで自動生成し、サーバー経由でClaude APIの最初の返答を画面に表示します。

準備、Codexへの依頼文、動作確認、つまずいたときの直し方まで、最初から最後まで一緒に進めます。

この回のゴール

  • できること:最小のWebアプリで、Claudeの最初の返答を画面に表示できる。
  • 用意するもの:VS Code、OpenAI Codex拡張、Node.js、AnthropicアカウントとClaude APIキー。
  • 大切な約束:APIキーは.envで保護しサーバーだけが読む。モデルIDや価格は変わり得るため、Anthropicの公式ドキュメントとConsoleで都度確認する。
最初に知っておきたい用語
  • Claude API:Anthropicが提供するAIへの窓口。文章を送ると返答が返ってくるサービス。
  • OpenAI Codex:VS Code内でコード作成を手伝うAI。あなたの相棒で、アプリの頭脳ではない。
  • .env(環境変数ファイル):秘密をしまう金庫のメモ。アプリから読み取り、公開しない。
  • サーバー:裏方の係。ブラウザの代わりにAPIへ安全に問い合わせる。
  • フロントエンド:目に見える画面部分。入力や表示を担当。
  • モデルID:使うAIの型番のような名前。Consoleで確認して設定する。
  • CORS:他の住所のサーバーとやり取りするときの通行証ルール。
  • HTTPステータス:通信の結果を示す番号。200台は成功、400台と500台は問題あり。

1. この記事でできること

この回では、VS Code内のOpenAI Codexに依頼して、入力欄・送信ボタン・返答欄だけの最小Webアプリを作ります。サーバー(Node.js)がClaude APIに安全に問い合わせ、結果を画面に表示します。
家づくりのたとえで言えば、土台ができた土地に、まずは「玄関と一部屋」を立てるイメージです。複雑な廊下や2階は、次回以降に増やします。

2. 完成イメージ

最小のWebアプリで入力欄と送信ボタンと返答表示をする完成画面のイメージ
Photo by Puscas Adryan on Unsplash

たとえば、窓口(フォーム)で質問を紙に書いて係の人(サーバー)に渡すと、係の人が図書館(Claude API)へ行って答えを持ち帰り、掲示板(返答欄)に貼り出す、そんな流れです。

3. 最初に知っておきたいこと

鍵(APIキー)は金庫(.env)に入れ、店先(ブラウザ)に置かないのが基本です。
本文では、APIキーをサーバーの環境変数として読み、画面のJavaScriptには渡しません。
また、使うClaudeのモデルIDは固定しません。AnthropicのConsoleで、現在使えるモデルをその都度確認し、設定します。仕様や料金は変わり得るため、公式ドキュメントを参照してください。

道で例えると、近道が工事中なら別の道標を見て進む必要があるのと同じです。必ず公式の道標(ドキュメントとConsole)を見てから選びましょう。

4. 対象読者

VS Codeの基本操作ができる初心者を対象にしたガイド
Photo by Emile Perron on Unsplash

サッカーチームで言えば、Claude APIは試合でプレーする選手、Codexは練習メニューを作ってくれるコーチのような役割です。混同しないように進めます。

5. 必要なものと入れ方

VS Code

  1. これは何?:作業机のようなアプリ。ファイルを並べて編集できます。
  2. 用意するもの:インターネット接続、WindowsまたはmacOSのPC。
  3. 入れ方・開き方:公式サイトを開き、ダウンロードしてインストール。アプリを起動。
  4. 最初の設定:日本語UIやテーマを好みで変更。作業用の空のフォルダを1つ作成し、VS Codeで開く。
  5. できたか確認:「エクスプローラー」にフォルダ名が表示され、編集エリアが開ければOK。

OpenAI Codex(VS Code拡張)

  1. これは何?:あなたの依頼文からコードを提案・生成する頼れるコーチ。
  2. 用意するもの:ブラウザ、OpenAIのアカウント(ChatGPTアカウントまたはOpenAI APIキーでサインイン)。
  3. 入れ方・開き方:VS Code左の「拡張機能」を開き、検索欄に「Codex」と入力。OpenAIのCodex拡張を選び、「インストール」を押す。完了後、「有効化」を確認。
  4. 最初の設定:拡張の案内に従いサインイン。VS Code右側または下部に「Codex」のチャットパネルを開く。
  5. できたか確認:「Codex」と書かれたチャット欄にメッセージ入力ボックスが見え、「新しいチャット」などのボタンが表示されていればOK。

Anthropic Console(Claude)

  1. これは何?:Claudeを管理する会員ページ。APIキー発行やモデル確認ができます。
  2. 用意するもの:Anthropicのアカウント、支払い設定(必要に応じて)。
  3. 入れ方・開き方:ブラウザでConsoleにサインインし、APIキーの発行ページを開く。
  4. 最初の設定:新しいAPIキーを作成し、すぐに安全なメモに控える。画面を閉じると後から同じ値は見られないことがあります。
  5. できたか確認:ダッシュボードに「API Keys」などの項目が表示され、必要に応じてモデル一覧への導線が見える。

モデルや価格は変わり得ます。最新の情報は公式ドキュメントを確認してください:Intro to ClaudePricing

Node.js

  1. これは何?:パソコンでサーバーを動かすためのエンジン。キッチンのコンロのような存在です。
  2. 用意するもの:公式サイトからインストーラーを入手できる権限。
  3. 入れ方・開き方:公式サイトからLTS版をダウンロードし、案内に従ってインストール。
  4. 最初の設定:VS Codeで作業フォルダを開いておく。以降の操作はCodexに任せるため、手入力のコマンドは行いません。
  5. できたか確認:インストール後、Codexに「Node.jsのバージョン確認をして」と頼むと、手元環境の確認手順を提案してくれます。

6. エージェントと作るものの全体像

フロントとサーバーとClaude APIのデータの流れを示す図解のイメージ
Photo by Hanna Morris on Unsplash

今回作る最小アプリは、次の3点セットです。
・フロント(HTML/JS)…入力と表示。
・サーバー(Node.js/Express)…Claude APIへ安全に問い合わせ。
・設定(.env)…APIキーやモデルIDなどの秘密を保管。
流れは「.env → サーバー → Claude API → 返答 → ブラウザ」。
宅配のたとえなら、.envは住所録の金庫、サーバーは配達員、Claude APIは倉庫、ブラウザは受け取り口です。

7. 手順1: ツールを準備する

目的と全体の流れ

VS CodeにCodex拡張を入れ、チャットを開ける状態にします。Node.jsが使える前提を確認します。

画面での操作

成功の見分け方

つまずいたら

拡張が見つからない、サインインできない場合は、インターネット接続とアカウント状態を確認してください。Codexに「拡張が見えない」と相談すると、確認手順を提案してくれます。

8. 手順2: APIキーを安全に用意する

.envにAPIキーを保存してサーバーだけが読む設定のイメージ
Photo by Taylor Vick on Unsplash

目的

APIキーを.envに保存し、サーバーだけが読み取る形にします。ブラウザへは絶対に出しません。

なぜ必要か

財布(APIキー)を机の上(ブラウザ)に放置すると盗難リスクがあります。鍵付き引き出し(.env)にしまい、必要なときだけサーバーが取り出します。

画面での操作

成功の見分け方

つまずいたら

ブラウザの開発者ツール「ネットワーク」タブで、通信内容にAPIキーが見えないかを確認します。見えた場合は、直ちに送信を止め、Codexに「キーがレスポンスに含まれている。隠す方法を教えて」と相談してください。

9. 手順3: エージェントにアプリを作ってもらう

目的

Codexに、フロント・サーバー・API呼び出しを最小構成で作ってもらいます。

画面での操作

VS CodeのCodexチャットを開き、次のボックスを丸ごとコピーして送ります。

Codexに送るプロンプト

目的:最小のWebアプリで、入力欄・送信ボタン・返答表示だけを持ち、サーバー経由でClaude APIへ安全にリクエストし、最初の返答を画面に表示したい。今回は第2回で、前回の準備を壊さないこと。

要件:
- 技術スタックはHTML/JavaScript(フロント)+Node.js/Express(サーバー)。依存は最小限。CORS許可、JSON入出力、基本のエラーハンドリングを入れる。
- サーバー側のみでAnthropicのAPIキーを扱う。ブラウザへキーやエラー詳細、環境変数の値を出さない。
- .envにAPIキーを保存し、dotenvで読み込む。必ず.gitignoreに.envを追加。
- モデルIDは固定しない。server側にモデルIDの設定変数を用意し、コメントで「Anthropic Consoleで現在使えるモデルを確認して設定してください」と明記。
- 1つのAPIルート POST /api/ask を用意し、{prompt:string}を受け取り、Claudeの返答テキストのみを返す。
- フロントは index.html と連携する script で、入力→送信→ローディング表示→返答表示を実装。ネットワークエラー時は簡潔なメッセージを表示。
- セキュリティ:サーバーのログにAPIキーを出さない。CORSはローカル開発用の最小設定にする。
- npm scriptsでサーバー起動コマンドを用意。READMEに起動と確認手順を書く。

ファイル:
- package.json(必要な依存とscripts)
- server.js(Express、/api/ask、dotenv、エラー処理、モデルIDの変数とコメント)
- public/index.html(入力フォーム、送信ボタン、返答エリア、最低限のスタイル)
- public/main.js(fetchでPOST、ローディング、結果/エラー表示)
- .env.example(CLAUDE_API_KEY= の空欄と説明)
- .gitignore(.env を含む)
- README.md(セットアップ、.envの作り方、Anthropic ConsoleでモデルIDを確認してserver.jsに設定の手順、動作確認方法、トラブル時に確認する場所)

動作確認:
- サーバーを起動し、http://localhost:PORT/ をブラウザで開く。
- テキストを入力し送信。返答が表示されること。
- ブラウザの開発者ツールのNetworkで、APIキーが通信に含まれていないことを確認できる説明をREADMEに入れる。

禁止と注意:
- APIキーの実値はハードコードしない。READMEやHTMLにも書かない。
- ブラウザから直接Anthropic APIへ送らない。必ずサーバー経由にする。

不明点があれば、作業前に質問してから進めてください。日本語のREADMEを作成してください。

Codexが作るものと確認点

10. 手順4: 動かして確認する

ブラウザでローカルアプリを起動しClaudeの返答を確認する様子
Photo by Sweet Life on Unsplash

目的

ローカルでアプリを起動し、Claudeの返答が画面に表示されることを確かめます。

画面での操作

成功の見分け方

つまずいたら

画面に「エラー」表示が出たら、READMEのトラブルシュートを開き、Codexに「この症状が出ています。どう直す?」とスクリーンショットの状況を伝えて相談します。

11. 手順5: エージェントと直す

目的

タイムアウト、入力チェック、UI微修正をCodexに依頼して改善します。

依頼の例

例えるなら、できあがったカレーの味見をして、塩をひとつまみ足す調整です。完成の骨格は同じで、使い心地を良くします。

12. よくあるエラー

APIキーやCORSやモデルID不一致などのよくあるエラーの確認
Photo by David Pupăză on Unsplash

401/403(認証・権限エラー)

429(レート制限)

CORSエラー

.envの読み込み失敗

モデルID不一致

13. 次に試すこと

郵便のたとえなら、今は普通郵便で1通をやり取りした段階。次回は配達方法を選べるようにしていきます。

14. まとめ

最小構成でも安全にClaude APIを呼び出せたことのまとめ
Photo by Glenn Carstens-Peters on Unsplash

最小構成のWebアプリでも、サーバー経由ならClaude APIを安全に呼び出せます。Codexへ要件を具体的に伝えるほど、開発は速く確実になります。
シリーズは続きます。今回の基礎が、後の自動切り替え機能の土台になります。

参考文献・出典